<先物手口情報の真実>

投資とプロスペクト理論について

皆さんトレードでもパチンコでも何でも良いんですが、

損失が出た時に、視界が『グニャ~』と歪んで見えたり、急に吐き気を感じたり、

というような体験をしたことはないでしょうか。

私達人間は、物事が起こる確率を正確に認識できなくて、小さな確率ほど大きく見積り、大きな確率ほど小さく見積ってしまうという、認知のゆがみをもっています。

これは人間の特性であり、プロスペクト理論と言われています。

この認知の歪みは、投資やトレードの際にも生じるため、判断を誤らせる原因となります。

この記事では、利益や損失に関わる意思決定のメカニズムを紹介します。

このプロスペクト理論を知っているかどうかで、自分を客観的に見ることができるかが変わってきますので、絶対に覚えるべき内容です。

プロスペクト理論とは

選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデル、とのことです。

行動経済学について本を読んだりしたことのある人は聞いたことのある言葉かも知れません。

私たちの意思決定は、必ずしも合理的に行なわれているのではなく、感情や感覚による「ゆがみ」があります。

人間は損失を被ると思考が止まる

例えば、あなたが保有していた株やポジションが大きくマイナスになったことを想像したり、思い出してください。

大体の場合、特に根拠もなく、「戻す、戻すから大丈夫!戻れ!」という風に考えてしまう

、考えていたのではないでしょうか。

もしくは、呆然として何にもできない、というような感じになるとも考えられます。

ちなみに、「すぐ損切りした、損切りできる」という人はすでにトレーダーとして素晴らしい能力をお持ちです。

以下は2015年に上海株が大暴落した時の投資家の写真です。

画像引用:http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/476.html

まさに茫然自失。

この時は、高値から約3週間で約3割の下落を記録していて、中国の主要市場で20社以上が株式の取引を一時停止するという異常事態だった時のことです。

不謹慎なことを承知で言いますが、私はこの画像が滅茶苦茶好きです。

この世の全てに絶望して何も考えられない人間を表す写真として今後も語り継がれると思っています。

極度の損失を被ると、人間こんな風になります。我々トレーダーは、こんな風になってはいけないのです。

このように呆然自失してしまう前に、損失をなるべく少ない状態にして確定させなければなりません。

しかし、人間は、損失が発生するとこのような呆然自失や思考停止になりやすい性質を持っているのです。

プロスペクト理論から理解できる人間の特性

高い確率は低く、低い確率は高く感じられる

私達人間というのは、物事が起こる確率を正確に認識しているわけではなく、小さな確率ほど大きく見積り、大きな確率ほど小さく見積ってしまうという、認知のゆがみをもっているといわれています。

例えば、宝くじが当たる確率など皆無に等しいにもかかわらず、「1億円当たるかも?」と期待して宝くじを無駄に購入してしまいます。

パチンコの場合も負け続けているにも関わらず、「過度に当たるはずだ」という風な思い込みをしてしまい、お金を投入し続けてしまうということが良くあるようです。

人間は「得」よりも「損」の方が感情が揺さぶられる

プロスペクト理論では、「価値関数」というものが説明されています。

この「価値関数」とは、私たちの認知における「価値の感じ方の歪み」を表現する関数です。

某漫画では、パチンコで負けた人の見える世界が「グニャァ」と曲がって見えるという描写がありますが、たかが数万円負けただけでもこうなる人間も多いと考えています。

「確率が低い」ということに「過度に期待をしてしまう」ということは、外れた場合の失望感も高くなります。

実際に損をした場合、得をした場合の約2.25倍の失望感、ダメージを感じるという風に言われています。

なので、負けてしまうと漫画で表現されるように「グニャグニャ」と世界が歪んで見えてし<画像>まうのです。

これを図にして表現してみました。

10万円勝った時と、10万円負けた時と比較してみてください。

線の曲がり方が明らかに違いますよね。

この失望感を取り戻すためにも、損失を少しでも減らそうとして、貯金に手を出したり、使っちゃいけないお金に手を出したりしてしまうのでしょう。

金額が大きくなると感情は動きづらくなる

こんなに損失が出た時の苦しみが大きいなら、何故人間はその損失を確定できないのでしょうか。

その理由は、人間は、利益・損失の額が大きくなっていくと、その価値に対する感情の起伏が少なくなるからです。

これは「感応度逓減(かんのうどていげん)」という心理現象だと言われています。

以下の新しい図を御覧ください。

仮に10万円負けた後に、追加で100万円負けたとします。

そして更に10万円負けたとします。

大きな負けを取り返そうとするロジックを理解しよう

こうなると、それまでの負けのインパクトが強すぎて、最初は強く感じていた同じ金額の10万円の負けが、どうでも良くなってしまうのです。

このプロスペクト理論に当てはめると、人間が何故大きく負けているときに、起死回生をかけて大勝負をしてしまうか理解できると思います。

【感応度逓減】

強烈に負けている時には、すでに人間は損失で感じる絶望感がマックスになっていて、追加でマイナスになろうが感情が動かなくなっています。

【人間は「得」よりも「損」の方が感情が揺さぶられる】

しかし、損失で生じたこの強烈な絶望感を解消したいという欲求は強くなっています。

【高い確率は低く、低い確率は高く感じられる】

そして、「この損を0にする、又はプラスにする」という低い確率を何故か高い確率で生じると信じてしまう。

こうして、どこからともなく湧いてくる『『『俺ならこの状況を打開できる!!!』』』という何の根拠もなく有り金を全部使って勝負し、退場していくのでしょう。

人間が大勝負したくなる、もう1つの理由

プロスペクト理論のおかげで、人間が何故誤って行動をしてしまうかは理解できたかと思います。

プロスペクト理論以外にも、現代人がこのような誤った行動をしてしまう理由は他にもあると思います。

それはメディアの影響です。

「一発逆転」とか、「どんでん返し」とか、そういうストーリーの物語が普及されていて、一種の憧れのようなものを植え付けているんだと考えています。

確かにスポーツとかゲーム、アニメ等で、そういうストーリー展開になるのは面白いです。感情が揺れ動くからですね。なろう系が流行っていたのが良い証拠ですね。

だからなのか、「自分もそういうドラマチックな展開で人生を謳歌したい」みたいな風に思ってしまうんじゃないでしょうか。

『自分の人生の主人公は自分だから!』みたいなアンポンタンな考えをしてしまう。

確かに成功したら凄いし誰かに感動を与えられるかもしれないが、それをギャンブルや投資でやって失敗したら目も当てられないし、下手したら死ぬのにね。

投資や事業で失敗して自殺してしまうという話もよく聞くのに、それは無視されてキラキラしたものにしか目が向いてしまう。人間にはそういった面もあると考えられます。

まとめ

プロスペクト理論は、人間の弱さを表しているように感じます。

トレードをしていた、利益や損失が出た時には、必ずこのプロスペクト理論を思い出す必要があります。

「現在自分は利益が10万円出ている、でもあまり嬉しくない。もっと利益が欲しいと考えてしまうのは得だと感じる喜びは小さいからだ。利確しなきゃ。」という風に考えられるようになります。

また、「現在自分は損失が10万円だ。かなり動揺している。これはプロスペクト理論に当てはめると、損失に対して感じるダメージを大きく感じるからだ。更にマイナスになっても感情が動かなくなり損失が広がることに繋がるかもしれない、だから辛いけど損切りだ。」という風に考えられるようになる。

トレードだけではないが、生き残るためには人間の性質を理解した上で立ち回っていかなければならないでしょう。

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